ついに雨が降りました
2025/08/07
- カテゴリ:社長のヒトコト
- 書いた人:由良 俊也(代表取締役)

朝は菩提寺の方丈さんに棚経をあげてもらった。
「今年は特別暑いですね」などと、世間話をひと下り。
「どの檀家さんも田んぼのことで困っておられます」と。
観測史上最高気温を更新した丹波市がうんぬん、なんてニュースはまっびらだった。
うなじを焦がしても作業の手を休めない農夫の姿が痛々しく、恨めしい空を見上げる毎日だったのだ。
そこに持ってきてこの日の雨だった。
無数の縫い針のような雨は稲を潤して、畦道にはみるみる画鋲みたいな水柱が立った。
いったい何人の人々が膝を叩いて喜んだろうか。
爽快だった。それほど見事な振りっぷりだったのだ。
村に雨上がりの夕暮れの匂いが立ちこめた。何もかも透き通ってしまいそうな夕暮れだった。
畦道はところどころに水溜りを浮かべて、もやる山間の夜へと続いている。
ああ、やっと盆を迎える気分になったと、私は嬉しくなった。
まもなく盆休み。これでやっと休暇までの日数を指折り数える日常が戻ってきた。